【うそでしょ?】ローコストメーカーは本当に安いのか?
ローコストメーカーはなぜ「安くみえる」のか?
ローコストメーカーは「安いと言えば安い」のですが・・・
じつは、みなさんが思っているほど安くはないんですよ!
そう。「安くみえる」というのが一番しっくりくるかもしれませんね
では、今回はその辺の話しをしたいと思います
目次:
まずはじめに・・・
家の価格はこのようにして決められる
家の価格というのは、ざっくりこのように設定されています
家の価格 = 「材料・資材費」+「各業者の下請け費用」+「会社の利益」
》》「家の価格」と「会社の利益」のヒミツ なども参照
大手ハウスメーカーであれ、ローコストメーカーであれこの設定は基本変わりません
ローコストメーカーの利益率が極端に低いわけでもありません。
25%前後は確実に利益を取っているでしょう
では、なぜ 「坪単価29.8万円」が実現できるのでしょうか?
実は、自由設計をうたっている住宅会社でも「条件設定」というものが設定されています
つまり、ルールがあってその条件からはずれると追加で金額が加算される仕組みになっています
(もちろんすべてのローコストメーカーにあてはまるものではありませんのであしからず)
ローコストメーカーにありがちな条件設定
条件1 ほぼ総2階建てに計画してある
総2階建てはなぜコストを抑えられるのでしょうか?
同じ35坪の家を建てようと思う場合、総2階建てにすれば「基礎」と「屋根」の面積をもっとも少なくできます。さらに、真四角の家にすることによって作業効率を上げることができるため、例えば1坪あたりの大工さんの作業人工が少なくなるので、安く下請けできることになります。
「自由設計」というわけにはいかないわけですね
条件2 坪数が限定されている
チラシなどをよく見てみると小さな文字で「38坪以上限定」とか「40坪以上の場合」などの表記があることが多いことに気づきます。35坪で設計するとオプション項目や見積もりの中に「追加90万円」という金額が請求されるケースが珍しくありません。
簡単に「坪単価」と言っても、浴室の1坪とリビングの1坪の金額が同じであることはあり得ません。浴室やキッチンなどの水まわりは、その部分だけで坪100~200万円以上かかっています。しかし、リビングや寝室などのフロア部分は坪20~25万円前後で出来ます。つまり、床面積が多きくなればなるほど、フロア部分が増えますので、坪単価が自動的に下がるということになります。
つまり、家は仕様が同じであれば、坪数が大きければ大きいほど単価が安くなるわけです。つまり、35坪と45坪では、45坪の方が坪単価が安くなるのです。
条件3 家に必要な照明、インテリアなどはすべてオプションになっている
当然、契約に入っていないものがあれば家は安くなります。加えてオプション価格が高く設定されていたりすれば、"あっ"という間に追加料金が300万、400万円に膨れ上がります。これではローコストで建てる意味がありません。
条件4 メーターモジュールになっている
日本の家屋はほとんどが尺で計算されています。つまり1モジュールは91㎝です。
これをメーターモジュールにすれば必然的に床面積が広くなるため金額を上げることができるということです。
例えば、6畳間で考えると尺モジュールの場合は3.64×2.73=約9.9㎡ですが、メーターで計算すると4.00×3.00=12㎡となります。
部屋が広く感じるという利点がありますが、その分単価は高くなるというわけです
条件5 間仕切り壁が少なく、追加オプションになっている
これも当然壁が少なければ材料費と工事費が抑えられます。
「壁追加料金1カ所につき〇〇万円」という設定になっています
条件6 ドアや窓の数が決まっている
建具の数が「何箇所まで」と決まっていて、引き戸に変えたり、追加したりすると
「追加料金1か所 〇〇万円」とやはりオプションになります
以上、「条件設定あるある」ですが、住宅会社によりほかにもいろいろ条件が設定されているかもしれません
もっと心配なこと
それよりもっと心配なのは・・・
もともと下請け業者の請負金額が低いため、手抜きとは言えないまでも雑な施工をおこなう業者が携わるケースもあります(ほとんど業者はまじめにやっていますので、誤解のないよう)
結局は・・・
結論から言うとチラシやCMでみるような「坪29.8万円」とか「本体価格980万円」というのは集客するための戦略で、実際の金額は住宅会社にもよりますが、ローコストメーカーさんといえども最終価格は坪単価でどんなに安くてもだいたい「坪55万円前後くらい」にはなるでしょう